医療法人社団 健クリニック 米子市,中町 呼吸器内科,小児科,アレルギー科

アレルギーについて

アレルギーの病気を早く治すには

  アレルギーの病気には色々ありますが、早く言えば皮膚や粘膜で起きる過敏症です。つまり、外界から体を守っている「バリヤ」で起きている”アレルギーの火事(炎症)”のようなものです。その火事が起きている場所によって病名が付けられていて、それぞれ症状や治療薬が異なります。例えば気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、じんま診、アナフィラキシーなどがあります。

  これらの病気は、1年を通じて、体調や季節の変化、アレルゲン(アレルギーの原因物質)の状況などに応じて、アレルギー症状が良くなったり悪くなったりを繰り返します。
  そして、体質的な病気ですので、少し治り難いイメージがありますが、体調に気をつける、環境を整える、日常生活を整えるなどで予防することができます。また、アレルギーを治す薬(抗アレルギー薬)を上手に使うことで予防やアレルギー症状(火事)を抑え、充分にコントロールすることができます。

  抗アレルギー薬には大きく分けて予防薬と対症療法薬の2つがあります。予防薬は予防にしか効きません。対症治療薬は、アレルギーの火事を消すことができても予防の働きはありません。つまり、お互いに別物であることをご理解下さい。
 

予防薬の使い方

アレルギー症状がなくて、一見治っているように見えても、特に季節の変わり目などになると”アレルギーのくすぶり”が始まります。それを放置しているとアレルギーの”ボヤ”になり、更には本当の火事になってしまいます。つまり、その”くすぶり”を消すのが予防薬というわけです。ボヤや火事になってから予防薬を使っても時遅しです。もしボヤや火事になったら対症療法薬の出番となります。
予防薬は、症状のない時にこそ続ける事がとても大切です。予防薬を続けていると何事も起こらず、平穏無事が続くということです。
 

対症治療薬の使い方

アレルギー症状を抑える薬ですが、大切なのは、アレルギーが出始めた”ボヤ”のうちに、つまりアレルギーの火事の小さいうちに早く消すことです。アレルギーの火事の大きさに応じて治療薬を変えることは大切ではありますが、火事がひどくなってから治療を開始したのでは、火事は消え難いのです。
この薬は、アレルギー症状が軽い時に使っても副作用の心配はなく、安心して使うことができます。
さあ、いかがですか。ご理解頂けたでしょうか。「しっかり予防して、火事は早く消す」です。
気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎には予防薬と対症治療薬があります。
上手に使い分けて頂いて健やかにお過し頂けるものと応援しております。

 

最近増えつつある「アレルギーの咳」

この数年咳や咳込みが長引いて薬をもらっているが治らないと訴えて来院される患者様が多くなった印象があります。「ふつうのかぜ」なら、1-2週間で落着くのに、3-4週間以上も治らなくて、中には2-3ヵ月も続くといった方もあります。そういった患者様の中で多い病気は、いわゆる「かぜ」などの感染症などではなく、「アレルギー」(気道過敏性の亢進)が原因で長引いている方が目立ちます。
特に次の2つがあります。但し、どちらも正式な病名ではありません。

①アトピー咳嗽(アレルギー性鼻炎などのアレルギー体質によって長引く咳)

②咳喘息(気管支喘息の一種)

いずれも季節性があり且つ反復性です。例えば「秋から冬にかけて、咳、咳込みが毎年のように長引く」のです。そして、咳止め薬、抗生物質では治り難く、抗アレルギー剤や気管支拡張剤が必要という事です。
症状にもそれぞれ特長があります。
 

アトピー咳嗽

主に日中に咳が多く、会話中に咳が出易い、何かの拍子にのどが痒くなり、咳込みはじめ止まり難くなります。のどから気管にかけて粘膜が敏感になって咳が出易くなるようです。
 

咳喘息

気管支喘息のような呼吸困難や喘鳴はありませんが、やはり日中、夜間に咳が出ます。気管支拡張剤の吸入により症状が改善するのが特長です。

しかし「長引く咳」には色々な病気も考えられますので、必ず鑑別診断が大切です。そのため、患者様には、胸部X線(レントゲン)検査、呼吸機能検査、アレルギー検査、感染症の有無の検査などが重要で、これらの検査をお願いしております。
「長引く咳・咳込み」でお困りの方はどうぞご相談下さい。